石田内科医院

石田内科医院|兵庫県神戸市の糖尿病・脂質代謝内科、呼吸器内科、総合内科

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よくある質問

妊娠中の薬 ~Q&A~

最終月経から3週間目に薬を飲みました。後から考えると既にこのときは妊娠していたのですが、薬は医師に聞くと催奇形性が報告されている薬剤のようです。大丈夫でしょうか?

妊娠週数というのは最終月経から計算することが多いのですが、これは月経周期が28日型の人を基準にしています。最終月経から14日目頃に排卵をしたと想定をしているわけです。こうした人の場合、最終月経から32日目頃までは体の中に長く残る可能性がある薬剤は別として、薬剤による催奇形性は起こらないことが知られています。また、ほとんどの薬剤は24時間もあれば、ほぼ完全に体の中から排出されます。
最終月経から14日目から32日目頃は、もちろん受精はしているのですが、赤ちゃんを形作る一つ一つの細胞は、例えば手になるとか足になるとかといった方向性が決まっていません。この時期に薬剤の影響がおよんでいくつかの細胞が障害されても、赤ちゃんは完全に修復する能力を持っています。また、もし全ての細胞がやられてしまうと赤ちゃんは死んでしまったり流産してしまいます。ですからこの時期に薬剤が影響しても赤ちゃんに奇形のような異常が残ることはありません。
あなたが薬剤を服用された時期は、ちょうどこの時期にあたります。つまり薬剤に催奇形性があったとしても、赤ちゃんはちょうどその作用が残らない時期にいましたから心配される必要はありません。
このように、予定月経が来ない場合(月経が40日型とか50日型)でも、最終月経から28日以上経過した場合に、妊娠しているかもしれないと考えられて、薬の服用をそれなりに変更するなり、中止していただければ、薬剤の危険性についてはほとんど心配がいらないのです。
性交渉がある婦人で最終月経から28日以上経過した場合は妊娠を考えて対応する、この基本さえ守っていただければ、妊娠と気づかず薬を服用してしまったと言うような心配事に頭を悩ます必要はなくなるのです。

授乳中に飲んだ薬は赤ちゃんに影響しますか?

授乳中にお母さんが服用した薬剤はもちろん母乳に出ますし、赤ちゃんはそれを飲むわけですから、お母さんが服用した薬剤の影響が赤ちゃんに出る可能性がないわけではありません。
しかし、薬はお母さんの消化管で変化を受け、また、赤ちゃんが飲んで赤ちゃんの消化管でも変化を受けますから、赤ちゃんが服用することになる量はお母さんの服用量の1/100以下になると言われています。
ですから授乳中の薬剤に関してはそれほど心配する必要はありません。しばしば服用される抗生物質や解熱鎮痛剤などは特に問題はないと考えてよいでしょう。
例外は、てんかんや甲状腺機能亢進のような持病があって、ずっと薬剤を服用していなければならない場合です。この場合は、赤ちゃんの様子などを見ながら、授乳を中止せざるを得ないこともあります。主治医とよく相談をしてください。

赤ちゃんに影響がない薬だといわれましたが、先天異常の赤ちゃんが生まれることはありませんか?

先天異常の赤ちゃんは、遺伝や風疹のようなウイルス感染の他、さまざまの環境要因によって生まれます。しかし実際に先天異常の赤ちゃんが生まれた場合に、その原因がはっきり判るのは20-30%に過ぎません。逆を言えば、あなたの家系の中に先天異常の方があられなくても、あるいは、妊娠中に薬を服用していなくても先天異常の赤ちゃんが生まれることがあります。私達、産婦人科医が、生まれた赤ちゃんを見て一見して判る先天異常の赤ちゃんはおよそ1%います。また、生まれてしばらく経つと判る先天異常の病気を含めると、その頻度は3-4%に達すると考えられています。
つまり、主治医から赤ちゃんに影響がない薬だといわれたことは、あくまでその薬で赤ちゃんに影響があったという報告がないということを意味しています。しかし、その薬以外の原因で、あるいは、原因がよく判らないけれども、先天異常の赤ちゃんが生まれることはあるのです

下痢のときの食べもの

食べていいもの:

1)下痢(嘔吐)の激しいとき
白湯、うすい番茶、ミカンやリンゴのしぼり汁、味噌汁の上澄み、アクアライト、ポカリスエット、コンソメスープ、野菜スープ、重湯、うすめたミルク、あめゆ

2)下痢の回復期または軟便時
三分がゆ、ポタージュ、おかゆ、よく煮たうどん、うすい味噌汁、軟らかい食パン、じゃがいもの裏ごし、塩せんべい、ウエハース、白身の魚、かたくり、寒天、とうふ、リンゴ、桃、イチジク、スモモなどの果実

3)便が正常に近くなったとき

食べてはいけないもの:

1)冷たいもの
清涼飲料水、アイスクリーム、氷

2)乳製品
牛乳、ヨーグルト、コーヒー牛乳

3)脂肪の多いもの
油で揚げたもの、バター、肉、卵、脂肪の多い魚

4)繊維の多いもの
いも、ごぼう、わらび、ぜんまい、海藻、生野菜、豆類、人参

5)糖分の多いもの(便が少し良くなれば取ってもいいです。)
カステラ、プリン、ジュース、菓子、まんじゅう、果物(アンズ、プルーン、いちごなど)

下痢のときの注意:

下痢の時は食事療法が大切です。便の固さと同じ程度のものを取るのが基本です。
食物アレルギーの原因になりますので、下痢が治っていないときから卵や牛乳を与えるのはやめましょう。

腸内細菌について

<人と細菌>

細菌というと人に有害と思われがちですが、人の腸内には沢山の細菌が住みついています。また、身の回りには無数の細菌が存在しています。人は細菌と共に生きています。たとえ悪い細菌がお腹に入ったとしても、その菌の繁殖を抑え、お腹を守ってくれるのは腸内細菌の働きなのです。

<腸内細菌>

私たちの腸の中には、いつも30~40種類、数にして100兆個、重さにして約1000gの細菌が住みついています。そして食べ物の残り滓や消化液などを利用してさまざまなものを作り出しています。

<腸内細菌のバランスが崩れると>

乳酸菌などの善玉菌が減ると便が異常に臭く、軟便や下痢、または便秘、腹部膨満感、食欲不振、消化不良などお腹のトラブルが生じます。また発がん性物質の産生にもつながりますので、善玉菌を減らさないように気をつけなければなりません。

<乳酸菌を減らさない方法>

健康のため脂肪や蛋白質の取り過ぎに注意し、便秘を防いで有害物質を早く体外に排出することが大切です。食物繊維を豊富に取ると便通を整え、ビフィズス菌など乳酸菌が増えてきます。乳酸菌は食物繊維を利用して繁殖するのです。 乳酸菌を手軽に増やすには、ヨーグルトや乳酸菌飲料、乳酸菌製剤を服用します。しかし服用した乳酸菌がそのまま腸内に長く住みつくわけではありません。その人の腸内には固有の細菌が住みついており、新しい細菌が住みつくことはかなり困難だからです。しかし服用した乳酸菌が死んでも、作られた乳酸は腸内で有効に作用し、もともと住みついていた乳酸菌を増やす効果があります。ヨーグルトなどに含まれる乳糖やオリゴ糖はビフィズス菌などが好む食物でもあります。